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手書きの効果とは?

学部3年生のNさんが研究を進めているのだが、これほど先行研究で研究がなされていないとは思わなかった。Nさんはかなり苦労している。

エビデンスに全く基づかないことを述べるが、私の感覚では「写経」が「手書きの効果」をもっとも体感できることなのでは?と予想している。


お金を払って字を書いてその紙を収める。ここに何があるのか?写経の字は、プリントアウトではいけない。自分で書かなければならない。字や文章の意味がわからなくてもいい。純粋に字を手書きすることに特化した活動だ。


ここの調査を進めていけば、

1.本人が、2.本人の体を使って、3.紙に、4.黒い染みをつけて、5.字を書く

という「手書き」に特化した効果をあきらかにできるのでは?と思える。


こういう活動は、他にあるか?と考えを巡らせると、日常生活にはいろいろある。

  • 踊り(ストリートダンス、盆踊り、総踊りなど)

  • カラオケ

  • ジョギング

など。自分の体を使わず踊ったり走ったり(アバターを使う?)、歌ったり(ボカロに歌わせる?)することに、「効果がある」と思われないだろう。なぜか、書字だけが、自分の体を使わなくても日常に認められている。


街に出て周りを見渡すと、手書きの文字はほぼ見つけられない。学校においては、黒板に書いた字ぐらいだ。そのうちスライドを使った授業ばかりになると、手書きが学校でも見られなくなるかもしれない。そんな中、「手書きという活動は不必要」となってしまったときに、人間はどんな力やどんな感情が退化していくのだろう?


ということで、とっても楽しみな研究の1つだ。来年のゼミ旅行は写経ツアーというのもいいかもしれない。

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directed by 片桐史裕

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