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ペーパーテストの限界 その1 受験勉強で得られる力の汎用性は?

学校での評価方法でかなりのウエイトを占めるのはペーパーテストだ。授業は定期テストのためにあると思っている先生も多い。高校では、大学入試の点数を上げるためだけに授業をするものだと思っている先生(や、一部の生徒)も多いのが現実だ。ペーパーテストの点数を上げるために付ける力の汎用性はどのようなものだろう?

「受験勉強(テスト問題を解くための勉強)」で身に付けた力は何の役に立つんだろう?」と言うことを受験勉強を切り抜けた学生さんたちに問うてみた。

  1. 集中力

  2. 時間内に仕事を切り上げる力

  3. 大学の課題を作成する力

  4. 記憶力

等というものが挙がった。1.集中力 は、身につくのかもしれない。仕事をしていて、ある一定時間集中して作業をしなければならないこともある。学校生活では、主に受験勉強で身に付ける人もいるだろう。しかし、当然そうでない場面でも身に付けられる。スポーツとか、音楽とか、芸術活動とか。だから、集中力は「受験勉強」をしなければ身につかないは言えない。


2.時間内に仕事を切り上げる力 仕事をしていて、40分〜100分位の比較的短い時間で仕事を完成しなければならないという機会は出会ったことがない。仕事というのは、1日〜数週間、長くても1年という期限があり、そこで「生活しながら」仕事を完成させていく。


その時間内で、その仕事だけに没頭していればいいということではない。新たな仕事が降ってくることもしばしばだ。それもこなしながら、期限の迫った仕事を選びながら、完成させていく。こんな能力が必要なのだが、受験勉強は一点集中でその時間に没頭できる時間を与えられるという、社会ではほとんどあり得ない状況で発揮する力を付けようとしている。


「資格試験、採用試験にパスする力が付く」という回答もあったが、それは当たり前で、受験勉強も、試験にパスする力も同じフォーマットだ。資格試験を受けないといけない仕事は、世の中の何%だろうか?「その人のためだけ」に「受験勉強」を強いるのもおかしな話だ。


3.大学の課題を作成する力 これも、受験勉強と同じフォーマットなのかもしれないが、受験勉強よりもちょっとゆるい。そして、受験勉強じゃなくても得られる力だ。受験勉強しなくても、「総合的探究の時間」で十分得られる。


4.記憶力 も、受験勉強じゃなくても得られるし、現代の日本では、知識の量が多くても、誇れることではなくなってきている。情報端末があれば、あっという間に知識は得られる。そもそも受験のために行っている(と学校側が錯覚している)小テストや定期テストなどは、短期間で覚えて、紙に出力し、短期間で忘れる力を養っているとしか思えない。


さて、「受験勉強で得られる力」は「受験にパスする」ということ以外で発揮することはあるのだろうか?(受験勉強をしなくても得られる力は除く。)あ、クイズに答える力かもしれない。受験のペーパーテストとクイズは親和性がある。というか、もはや受験はクイズなのでは?

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